「ジアイーノ」開発者の声 ~2021年度の挑戦~

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加湿機能を新搭載!さらに、進化した「ジアイーノ」が誕生するまで

2013年の誕生以来、様々な改良を経て次亜塩素酸 空間除菌脱臭機「ジアイーノ」は進化を遂げてきました。そして2021年9月、新たな機能を搭載した新しい「ジアイーノ」が発売。パナソニック エコシステムズ株式会社 家電技術部 空間浄化機器開発課の伊藤泰典氏に、今回のリニューアルに関する改善ポイントや開発での苦労について話を伺いました。

伊藤 泰典

パナソニック エコシステムズ株式会社 家電技術部 空間浄化機器開発課

「ジアイーノ」の機構の設計開発や品質評価を担当。2021年は 加湿機能を新搭載。さらに、高い除菌・脱臭効果を実現するための画期的な機構開発を担当した。

インタビューに答える伊藤泰典さんの写真です。

季節に合わせて加湿量をコントロール

従来の「ジアイーノ」を冬場に使用する際、加湿機と併用して乾燥対策を行うご家庭があることがわかりました。逆に湿気が多い夏場は、除菌・脱臭に使用する次亜塩素酸を発生させるための水が、お部屋の空気を加湿してしまうという懸念がありました。

そこで私たちは、冬は加湿量を増やし、夏は加湿量を減らすコントロール機能を搭載した、新しい「ジアイーノ」の開発に成功しました。

内部構造を一から見直し、加湿量アップと除菌・脱臭の両立を実現

従来の「ジアイーノ」では、内部の水タンクの容量に限りがあるため、なるべく水の消費を抑えながら除菌・脱臭効果を最大化する技術が施されてきました。

しかし今回は、本体サイズを従来のサイズとほとんど変更せずに​加湿量アップと除菌・脱臭を両立させる必要があったため、これまでとは全く異なる手段を用いる必要があります。

そこで除菌フィルターを従来のドラム式から、加湿空気清浄機で使われる円盤式に変更。形状が大きく変化したことで、内部構造も一から設計する必要に迫られました。

改良中のジアイーノ本体と、開発者のデスクの写真です。

円盤式フィルターの採用により、加湿機能を大幅に高めることに成功。しかしここで新たな問題に直面しました。円盤式フィルターはドラム式フィルターのように、次亜塩素酸水溶液を均一に染み込ませることができないため、除菌・脱臭効果を十分に得られません。次亜塩素酸水溶液が浸っていない、フィルターの中心部分まで十分に湿らすためにはどうすればよいのか。幾度とない試作を繰り返しながら、試行錯誤の日々が続きました。

円盤式フィルターを開発者の3人が眺めている写真です。円盤式フィルターを開発者の3人が眺めている写真です。

問題をクリアしたのは、「水車と滑り台」!

その問題を解決するヒントとなったのは、「水車」「滑り台」でした。円盤式フィルターには、水車と滑り台をイメージしたカップ形状の部品を放射線状に取り付けました。その部品でトレー内の次亜塩素酸水溶液を汲み上げ、回転することでフィルター中央部に少しずつ注水され、次亜塩素酸水溶液をフィルター全体に十分に湿らせることに成功したのです。

円盤式フィルターのフレーム部分の画像です。
円盤式フィルターについて説明している伊藤さんと、水車と滑り台の画像です。円盤式フィルターについて説明している伊藤さんと、水車と滑り台の画像です。

フィルター全体に水溶液が浸透するイメージ

①カップでトレー内の次亜塩素酸水溶液をすくう
フィルターが回転しているイラストです
②フィルターが回転する
フィルターが回転して水が浸透しつつあるイラストです
③フィルター全体に水溶液が浸透する
フィルターが回転して水が浸透しているイラストです

これにより、加湿と除菌・脱臭の両立という課題をクリアした新型「ジアイーノ」。さらにドラム式から円盤式にフィルターを変更したことが内部スペースの削減にもつながり、結果として水タンクの大きさを1.9倍に拡大することができました。

これまで培ってきたノウハウを活かし勇気をもって新構造にチャレンジし、お客様のニーズに応える商品として生まれ変わった2021年版「ジアイーノ」。今後もさらなる機能向上を目指し、私たち技術者のチャレンジは続きます。

更なる快適への挑戦は続く

2022年度の挑戦

集中クリーンモード追加、付着臭脱臭の実証、清潔加湿。その発想の原点や開発上の苦心、効果に関する検証について伺いました。

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