NEW LUMIX 20周年特別コラム

Chapter4│現在と未来編:フルサイズへの挑戦、
そして新たなLUMIXブランドへ

LUMIXは、2008年に世界初のミラーレス一眼カメラを発売し、誰もが扱いやすい一眼を⽬指してマイクロフォーサーズ規格を立ち上げましたが、ミラーレスが市場に広く浸透するにつれ、フルサイズミラーレスの登場が予⾒されるようになりました。LUMIX初のフルサイズミラーレス一眼は、水⾯下で意外に早くから始動していました。この章では、フルサイズ市場への挑戦とLUMIXの新たなブランドイメージの確⽴、そして20周年を迎えた今、LUMIXがその未来に馳せる想いについて語りたいと思います。

Section 1フルサイズミラーレスへの挑戦

ミラーレス誕生のわずか1年後には、各メーカーが次々にミラーレス一眼市場に参入し、数年のうちにミラーレス一眼は大きな市場を形成するに至りました。一方、一眼レフはフルサイズ化が進んでいましたが、我々はそう遠くない時期にフルサイズミラーレスが拡大していくと予測していました。

そのため、マイクロフォーサーズ機の基本性能をプロフェッショナルなレベルに高めつつ、2011年には水面下でフルサイズ機の検討に入り、求められる性能・機能を見据え要素開発やデバイスのシミュレーションを蓄積させていきました。そうして最終的にフルサイズ市場参入が決まったのは2016年の事でした。その頃、市場にはフルサイズミラーレスカメラが出始め、「今こそ参入のときだ」と、当時の経営責任者たちも背中を押してくれたのです。

経営責任者たちがフルサイズに挑もうという決断を下した背景には何があったのでしょうか?
そこには、ある共通項目が存在していました。それは「写真好きである」ということです。経営者としての視点だけではなく、カメラをこよなく愛するからこそ、この新規事業を応援しようという想いに辿り着いたのではないでしょうか。

決定直後にはフォーサーズシステム規格参入時からフォーラムでお付き合いのあった、シグマ社に声をかけ協業のキックオフ会議が催されました。マウントに関しては、新たに開発することも検討しましたが、お客様にとって最も重要なことは様々な表現を生み出すレンズラインアップの豊富さであると考え、兼ねてから当社と協業関係にあるライカカメラAGにライカ開発のLマウントを使ったフルサイズ機の協業を打診し、ライカ、パナソニック、シグマの3社による「Lマウントアライアンス」設立の運びとなりました。Lマウント規格であれば、ブランドの垣根を超えた自由なレンズの組み合わせが可能になり、お客様にとって最も重要な撮影の自由度が限りなく広がることと、システムの将来性への期待が得られると判断したのでした。

Lマウントアライアンス設立

このようにして、フォトキナ2018にてフルサイズ市場参入とLマウントアライアンスの立ち上げを発表するに至りました。こちらは、プレス発表の際、現イメージングBUビジネスユニット長がLUMIX初のフルサイズカメラSシリーズの開発試作機を全世界に発信した瞬間です。この光輝く登場シーンは、なかなかのインパクトで会場を湧かせました。

Sシリーズの 開発試作機を全世界に発信した瞬間

Section 2拘りぬいたSシリーズ開発

LUMIX初のフルサイズミラーレス一眼S1R/S1とフルサイズ用Sシリーズレンズの開発においては、プロの写真家が仕事で使える道具を目指し、徹底的に拘り抜きました。その為に世界各地の70名にも上るクリエイターにヒアリングを行い、時には撮影現場にも同行し、きめ細かなリサーチを重ねました。
詳細については、下記サイトで開発者達が熱く語っていますので、是非ご覧ください。

FULL-FRAME WITHOUT COMPROMISE

あらためて挑んだフルサイズのカメラ開発は、民生用から業務用に至るビデオカメラや、世界初のミラーレス一眼カメラを開発し脈々と受け継がれているDNAがあるからこそ実現しました。2019年3月にS1R/S1が発売され、S1Rは、カメラ事業参入以来の念願でもあった、栄えある「カメラグランプリ2019大賞」に輝いたのでした。

カメラグランプリ2019大賞

その半年後に発売されたS1Hはフルサイズのレンズ交換式デジタルカメラとして世界で初めて6K/24pの動画記録に対応し、放熱ファン搭載により動画記録の時間無制限を実現しました。ミラーレスカメラとしての機動力を生かして、Netflixの4Kコンテンツの撮影現場でも使用されています。当社製業務用シネマカメラ「VARICAM」と同水準の階調・色域にも対応しており、もはやシネマカメラの仲間入りを果たしたと言っても過言ではないでしょう。

フルサイズミラーレス一眼 DC-S1H

Section 3新たなLUMIXブランドへ

LUMIXというブランドイメージは、初期のコンパクトデジカメの印象が強いかもしれません。ご存知の通り、スマートフォンの台頭によりコンパクトカメラ市場は急激に縮小しました。一方、ミラーレス市場は伸長しているものの、競争が激化しています。また、写真・映像を取り巻く環境も大きく変化し、成長著しいSNSなどの世界で写真や動画を発信するクリエイター達が活躍の場を広げ、新たな文化を築いています。

このような時代の変化の中、LUMIXはまず何をしたでしょうか?このような時代の変化の中、LUMIXはまず何をしたでしょうか?

それは、自分たちのDNAに改めて向き合い、ブランドを再定義したことです。
LUMIXには、その誕生前からビデオカメラの開発で培ってきた長年の動画技術、非球面レンズに代表される光学技術、画像処理技術のDNA、そして創業以来脈々と受け継がれてきた、大切なお客様に寄り添うというDNAが息づいています。これらを最大限に生かして、LUMIXにしかできない新しい価値を提供していくべきではないかという想いに至りました。
そして、LUMIXは、ターゲットユーザーを静止画動画問わず、自らの作品を創作し表現するクリエイターと定め、彼らに寄り添っていくことをブランドのミッションに掲げる事にしました。
クリエイターの声に耳を傾け、彼らの求める写真・映像表現や操作性、ワークフローを共に創造できるブランドを目指して、商品開発・マーケティングをはじめとする全ての活動に取り組んでいきます。

Section 4LUMIXのこれから

フルサイズミラーレスの投入は、お客さまにより幅広い選択肢の提供を可能にしました。
Lマウントアライアンス各社はそれぞれの哲学のもと個性溢れるレンズを次々と生み出し、ラインアップを拡充させてきました。今後はシネレンズまで視野に入れた魅力的なシステムに進化させると同時に、当社もクリエイターのワークフローに沿ったレンズ群の開発を進めるなど独自の価値を提供し続け、世界中のクリエイターがより自由に作品を創作し、表現の幅を拡げられるフルサイズミラーレス機の開発に力を注いていく予定です。

商品群

そうすると、LUMIXはマイクロフォーサーズをあきらめたと思われたかもしれませんが、そんな事はありません。フルサイズという選択肢がある中で、システムトータルの機動性、コストパフォーマンス、求めている被写界深度の深さ等の理由から、あえてマイクロフォーサーズ機のみを使われているクリエイターもいらっしゃいます。今後は、マイクロフォーサーズ、フルサイズ共にそれぞれの優れた特性を生かし、機動力と高画質を両立したマイクロフォーサーズのGシリーズと、よりプロフェッショナルなフルサイズのSシリーズ両カテゴリーで開発を続けていきたいと考えています。

我々は、クリエイターが映像制作の自由度をより高められる新たなカメラの形にも挑戦しています。2020年に発売したBGH1はボックススタイルのマイクロフォーサーズ機で、GHシリーズの動画性能を継承しながらも、撮影スタイルに合わせて自由にカスタマイズでき、幅広い撮影現場で活躍しています。
そして2021年10月には、このBGH1のボディサイズにフルサイズ一眼のS1Hと同じ画質・機能を凝縮したフルサイズボックスカメラBS1Hも発表しました。これによって映像制作における表現の幅がさらに拡充します。

DC-BGH1

ボックススタイルミラーレス一眼 DC-BGH1

DC-BS1H

ボックススタイルフルサイズミラーレス一眼 DC-BS1H

現在開発中のGH6もマイクロフォーサーズ機ならではの機動性に加えて多彩な映像表現力の両立を目指しています。センサーとエンジン共に新開発し、4:2:2 10bit Cinema4K60pの動画記録に対応、推奨動作温度内において動画記録時間無制限を実現の予定です。詳しくお伝えできないのが本当に残念ですが、今も技術者達が全身全霊を注ぎ開発中のGH6がどのようなカメラに仕上がるのか、ぜひご期待ください。

DC-GH6

LUMIXはデジタル時代に生まれた最も歴史の浅いカメラブランドではありますが、カメラを愛するお客さまと共に歩み、こうして20周年を迎えることができました。ひとえにご愛用いただいたお客さまのおかげと、感謝の気持ちでいっぱいです。

これからも、写真・映像文化は時代の変遷と共に多岐多様にわたり、その表現方法も複雑に変化していくことでしょう。LUMIXは、どのような時でも常にクリエイターの想いに寄り添い、その創作活動を支え共に前進する唯一無二のブランドで在り続けたいと願っています。

そして写し出した未来が、素晴らしいものであることを祈って・・・

2021年10月27日

Chapter1 ルーツ編 LUMIXの歴史は、実は20年じゃない?
Chapter2 最高のパートナーと挑んだブランド誕生物語
Chapter3 ミラーレス始動編
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