ナノイー・ナノイーX 開発の歴史
20年以上にわたるナノイー・ナノイーXの開発の歩みをご紹介します。
1997年 住環境の「空気浄化」をテーマに研究をスタート
花粉やペット臭など、生活環境の空気汚染が課題になった1990年代。
建材の多様化にともない、新建材から発生する化学物質によるシックハウス症候群も社会問題となりました。
室内空気質を新鮮に保つために機械換気設備の設置が法律で義務化され、空気が健康に影響を与えるという認識が格段に広まった時代であったと言えます。
ポイント1
高度経済成長期に大量に植樹された、
建築用木材のスギやヒノキから飛散する花粉量が増大。
花粉症患者が増えました。
ポイント2
建材に含まれる化学物質で汚染された
室内の空気が引き起こす体調不良、
「シックハウス症候群」が問題になりました。
2001年 ナノイー発生技術の開発がスタート
2001年にはナノイー発生技術の開発がスタート。
水の「臭気成分を溶かす性質」を、空気浄化に応用しようとして始まりました。
翌年2002年以降、ナノイー・ナノイーX搭載デバイスは年々進化していきます。
ナノイーユニット試作完成(2002年)
水補給式のナノイーデバイスが完成(2003年)
世界初 ナノイー搭載空気清浄機「エアーリフレ」発売(2003年)
第1世代 ペルチェ式(2005年)
第2世代 ペルチェ式(2006年)
第3世代 ペルチェ式(2007年)
第3世代 ペルチェ式(2008年)
第4世代 ペルチェ式(2011年)
開発者にインタビュー
水って、毎日触れるものですよね。とても身近な物質ですが、実はすごい力を持っています。
ニオイの成分や、汚れを溶かし込んで、空気や物をキレイにする水のポテンシャルを空気清浄にも応用できないか、という発想で研究に取り掛かりました。
2008年 次世代技術ナノイーXの開発がスタート
2008年にはナノイーX発生技術の開発がスタート。2007年ナノイー時代から引き続いて、納入事例も増えていきました。
いまでは、鉄道や病院などの公共機関、自動車、商業施設などで幅広く活躍しています。
様々な施設・公共空間に全国多数展開中
2016年 次世代技術ナノイーX誕生
マルチリーダ放電技術確立・量産技術確立。
OHラジカル量はナノイーの約10倍※を達成しました。
※2011年 第4世代のナノイーデバイス:4,800億個/秒と、ナノイーXデバイス:4兆8,000億個/秒との比較。ESR法による測定。(当社調べ)
ナノイーX搭載 加湿空気清浄機、発売(2016年)
ナノイーXの誕生と同時に、ナノイーXを搭載した加湿空気清浄機が発売され、注目を集めました。花粉やPM2.5などの外気の汚れが、くらしや体に影響を与えることが顕在化した2010年代。人々が長時間過ごす室内の空気質を向上させ、健康で安心で快適な室内環境を整えることへの関心が大きく高まりました。
ポイント1
感染症を引き起こす病原体になりうる
有害な細菌、ウイルスなどに対応する
意識が高まっています。
ポイント2
PM2.5は、空気中に漂う2.5μm以下の粒子。
肺の奥深くまで入りやすく、
炎症反応や血液中への混入などの恐れがあります。
2019年 高濃度のナノイーX誕生
マルチリーダ放電技術確立・量産技術確立。
OHラジカル量はナノイー比で約20倍※を達成しました。
※2011年 第4世代のナノイーデバイス:4,800億個/秒と、ナノイーXデバイス:9兆6,000億個/秒との比較。ESR法による測定。(当社調べ)
2021年 ナノイーX(48兆)が誕生
ナノイーX(48兆)は、ナノイー史上最大のOHラジカル量
含まれるOHラジカルの量に応じて、ナノイーXにグレードが付与されました。
これまでのナノイーXはナノイーX(4.8兆)へ、高濃度のナノイーXはナノイーX(9.6兆)へと名前を変えました。
★ESR法による測定(発生装置直後のOHラジカル量)(当社調べ)。
ラウンドリーダ放電を採用し、OHラジカルの生成領域が拡大
ラウンドリーダ放電を確立。
面状に放電領域を広げることで、OHラジカルの生成領域を大幅に増やし、OHラジカル量はナノイーの約100倍※を達成。
★ESR法による測定(発生装置直後のOHラジカル量)(当社調べ)。
※2011年 第4世代のナノイーデバイス:4,800億個/秒と、ナノイーX(48兆)デバイス:48兆個/秒との比較。ESR法による測定。(当社調べ)
開発者にインタビュー
私は、プラズマテレビの放電技術開発に携わってきましたが、ナノイーデバイスで、放電に関わる技術者を社内公募していたので、新しいことにチャレンジしたいと思い、途中からナノイーX(48兆)開発に参加しました。
開発に参加した頃はOHラジカル量100倍達成まで全く目途が立っていない状況でした。しかも、そこから半年間、一向に前進せず「これが限界かも」と諦めかけた時期もありました。
これからも高まり続ける「快適な空気質」への期待に、パナソニックは応え続けます。